24th November 2009

イマジネーション、組み込み SoC プロセッサの新 META ファミリを発表

未来のシステムオンチップの主要機能と特性を発展させる META プロセッサ ファミリ


2009年11月24日(東京)- マルチメディア チップ テクノロジーのリーディングカンパニー、イマジネーションテクノロジーズ(IMG)は、SoC(システムオンチップ)を中心としたシリコン設計の時代に向けた META プロセッサSeries2世代の開発ロードマップの全容を発表しました

32ビットSoCプロセッサIPコアのMETAファミリは、比類なき組み込み型プロセッサ製品群です。単一のハードウェア マルチスレッド実行インフラ内で汎用性とDSP 機能を組み合わせ、プロセッサの利用とSoC システム待ち時間許容度を高レベルで維持するとともに、SoC アプリケーションに理想的な、これまでにないレベルのリアルタイム レスポンスを実現します。

METAプロセッサは、完全なコヒーレント キャッシュやMMUを実装した、Linux アプリケーションや Android アプリケーション用プロセッサ プラットフォームだけでなく、完全なコンテキスト スイッチなど、1 回のクロック サイクルで外部イベントに応答する「ハード リアルタイム」機能を提供します。META ファミリは、次世代 SoC 組み込み型プロセッサ アーキテクチャとして最も秀でた例と言えます。

META はさらに、IMGのENSIGMA UCC プログラマブル Wi-Fi や復調エンジンなどのマルチスタンダード通信エンジンとの効率的な統合を容易にする機能の他、インターネット接続や放送用の接続機器向けに完全に最適化された新世代のプロセッサを実現しました。

システム統合のレベルが進化を続け、アプリケーションにもより高度なAPI やオペレーティング システムが必要になってきているため、現在設計されているSoCは、数年前に比べて組み込み型プロセッサに対する要求が非常に多岐に渡っています。もはや、1 つのプロセッサがシステム リソースを独占するような時代ではありません。マルチメディアや通信などの特殊機能用のサブシステム プロセッサも、バス帯域幅やメモリなどのシステムリソースを活用しているため、組み込み型プロセッサの基本アーキテクチャを使用環境の根本的な変化に応じて刷新する必要があるのです。現在の SoCにおける組み込み処理状況の理解を深め、IMGは自社の SoC プロセッサの META ファミリ向け Series2 アーキテクチャを開発しました。

IMG のマーケティング担当副社長トニー・キング=スミスは次のように述べています。「チップ設計者は長きに渡って、CPU ベースの SoC 設計という従来の概念にとらわれてきました。CPU をベースとしたSoCは、最近の SoCに見られるような高度なシステム統合にはますます適さなくなっています。組み込み型プロセッサは、Linux アプリケーションの実行であろうと、高度に最適化した DSP アルゴリズムの実行であろうと、最小限の消費電力で最大限のパフォーマンスをクロックサイクルごとに実現できるような効率性が求められています。当社は、META プロセッサの自社IPコアや顧客のSoCへの組み込みだけでなく、多くの世界的なSoCベンダと組んで高性能なマルチメディアエンジンや通信エンジンを主要なCPU アーキテクチャに統合してきた長年の経験があります。それもとに、独自の META プロセッサ アーキテクチャの強みを確立し、低消費電力、高性能のコネクテッド マルチメディア時代に求められる SoC のニーズに対し、従来の CPU に比べて非常に的確に対応してきました」

これで次の 3 つの META プロセッサ シリーズが揃いました。

  • META HTP SoC アプリケーション プロセッサは、リアルタイムの厳しい制限や DSP 機能が必要な低レベルのタスクに加え、アプリケーションの実行に高度なオペレーティング システム(OS)を必要とする従来のマルチプロセッサの代替として設計されました。
  • META MTP SoC 組み込み型プロセッサは、DSP 負荷の大きい高度なオーディオや高速通信などのアプリケーションをターゲットとしています。Linuxのような HLOSやIMGのMeOS™ などのRTOSと混在して利用することができ、それぞれのネイティブコードの実行することで最大限のパフォーマンスを引き出すことが可能です。
  • META LTP 組み込みコントローラは、シングルスレッドの超小型 32 ビットコアで、ごく小さなシリコンフットプリントで他の META プロセッサと完全な互換性があります。

META コアは40Gプロセスで、1GHzまでの動作が可能です。全てのMETAコアは、現状利用できる標準ライブラリで合成可能です。既にIMGは、SoC プロセッサの META Series2 ファミリの全メンバーをライセンス供与しています。

META ファミリの詳細
META のマルチスレッド ハードウェアはレイテンシー許容度が非常に優れており、同等のシリコン領域でしばしば低いクロック速度でも従来のCPUの2倍を超える処理能力を発揮します。他の高度な割り込み技術や低レベルのハードウェア スケジューリングと組み合わせたシングル サイクルのコンテキスト スイッチにより、META プロセッサは、データ転送速度とイベント応答速度が高いためシングルサイクルのコンテキスト スイッチ機能が大きな意味を持つ「ハードリアルタイム」アプリケーションに理想的です。加えて、単一の統合エンジン内で DSP と RISC ライクなスレッド構成を独自に組み合わせることのできる機能により、設計者は1つの組み込み型プロセッサであらゆる高度なアプリケーションだけでなく、多くのシステムで必要な高度に最適化した DSP 処理やリアルタイムのパフォーマンスを得ることできます。

全ての META プロセッサの命令セットは共通で、システム設計が次世代へ進化する場合にもローエンドコアからハイエンド コアへの移行が容易です。ハードウェアによるマルチスレッドを使用するこの独自の機能によって、複数の仮想プロセッサを作成することにより、SoC システムの設計者は、シリコン効率のよい一貫したプロセッサアーキテクチャで SoC に使用される多様な処理ノードを一元管理できます。

META SoCket™ を利用すると、設計者は SoCの他の設計部分に全く支障なく、またあってもごくわずかの影響で、META コアを簡単に別のコアに切り替えることができます。顧客は、低~中レベルの METAから始め、マルチスレッドでの実績を積み、Soc の複数ブロックにおいて METAプロセッサを活用するメリットが見えてきたら、理にかなったアップグレード曲線に沿ってアップグレードすることができます。

従来のプロセッサ多くは、メモリ要求が終わるまでストールし、処理リソースの最大 50% が活用されないケースがあります。METAの特殊なマルチスレッド機能により、クロック サイクル毎のハードウェアのコンテキスト スイッチが可能で、最大4スレッドをサポートします。例えば、1 つのスレッドでLinuxアプリケーションのメモリ要求が解決されている間に、オーディオ デコーダを別のスレッドに渡し、さらに別スレッドの通信プロトコル スタックでデータを渡し、4 つ目のスレッドでリアルタイムのハードウェア イベントを処理することができます。それぞれのスレッドがプロセッサを占有するため、実質上4つのバーチャル プロセッサが同一のデータパスを活用し、キャッシュ コヒーレンシが確保されます。キャッシュは、コヒーレンシを確保して構成、または専用のキャッシュ領域として構成できます。

META はこの独自の組み込みプロセッサ構成により、同一クロック速度とシリコン領域において最先端の従来型プロセッサに比べて最大2倍のスループットを実現します(例:Dhrystone)。マルチスレッドのMETAファミリの機能が、通常はMETA LTPの220からHTPの1610 DMIPS(65nm)まで、シリコン領域やクロック速度を問わず傑出したDMIPSを実現します。他のプロセッサ ソリューションと比較し、META は低速クロック、小さなシリコン領域で同等の性能を実現できます。META は実システムにおいても MHz当たり2.4 DMIPSを実現可能です。META プロセッサは、ハードウェア マルチスレッドを完全サポートするため、高いデータレートと高度なリアルタイム イベント処理が必要な高性能・リアルタイム アプリケーションに最適です。

META HTP ファミリは、強力な汎用 32 ビット プロセッサと高性能 DSP、低レベル コントロールを単一のデータパスとキャッシュに統合します。多数の OS を実行し、必要に応じて各スレッドで 別の OS を実行することができる META HTP は組み込み Soc プロセッサ リソースの最適なソリューションです。ほとんどの HTP 構成は 2 つまたは 4 つのスレッドを含み、1 つ以上が DSP、また 1 つ以上が Full Linux に割り当てられています。META HTP には、オプションの IEEE 754-2008 に準拠した倍精度浮動小数点と、1 つのサイクルに 64 ビットワードをロードする 64 ビットの内部バスがあります。

META MTP ファミリはマルチスレッドと高性能 DSP のメリットを提供します。通常では 2 スレッド構成の META MTP プロセッサは ALU とキャッシュのリソースを低減してダイ サイズを最小限に抑え、通常は RTOS、またはアプリケーションの場合はネイティブ実行します。オーディオや通信などの マルチメディア処理に最適です。META MTP コアは、低レベル コントロール、DSP などの負荷の多い処理タスクが必要とされるイマジネーションのプラットフォーム IP ソリューションや IP コアに活用されています。通常、META MTP 用アプリケーションは調整なく、より大型な META HTP プロセッサに移行することができ、アプリケーションの成熟、拡張に合わせたアップグレードが可能になります。また、オプションの単精度浮動小数点と 32 ビットの内部バスがあります。

META の各スレッドは、「GP(汎用)」または「DSP」のどちらにも構成可能です。GP スレッドは高度に最適化された RISC ライクな命令セットを利用し、コード サイズを最小限に抑える、フットプリントがより小さな命令セット使用可能です。DSP に合わせた各スレッドは ALU リソースやレジスタを追加することで、プロセッサがオーディオ コーデック、モデムなど最高の性能を要するような高度な DSP アルゴリズム実行できるようにします。

META プロセッサは、Full Linux(シングルプロセッサ、SMP 対応)や当社独自の MeOS RTOS(リアルタイム オペレーティング システム)を含む幅広いオペレーティング システムで動作します。META はバーチャル レイヤーを使用せずに複数の OS をサポートする唯一のプロセッサ アーキテクチャで、Symbian や Android といった高度なオープンソースの OS の移植に非常に適しています。低レベル タスクを実行するスレッドは OS を介せずにネイティブに実行されるため、最大限の効率性が確保されます。SMP Linux はマルチプロセッシングとハードウェア マルチスレッドをお馴染みの Linux 環境で実行できるため、ソフトウェア エンジニアは特別なコードを記述する必要なくハードウェア マルチスレッドのメリットを享受することができます。

META アーキテクチャは、システム設計者が各スレッドで使用可能な MIPS の割合を調整することもできる AMA(Automatic MIPS Allocation)を使用して強引なコードを抑制しています。ほかのスレッド上のいわば「自分勝手なソフトウェア」の影響を最小限に抑えつつ、これまでの開発によるアプリケーションと組み合わせることもできます。META の Superthreading 機能により、同じリソースで競合しないという条件で、スレッドを同時に実行することができます。これはスーパースカラ アーキテクチャで重要な利点を持つ手法です。Superthreading によりクロック サイクルあたりの作業量増加が可能になるため SoC がより低いクロック速度で実行できるようになります。一方で、AMA がシステムの負荷分散を処理し、処理期限を満たします。

イマジネーションテクノロジーズについて
マルチメディアと通信におけるシリコン テクノロジーの世界的なリーディング カンパニーの Imagination Technologies Group plc(LSE:IMG)は、グラフィックス、ビデオ、マルチスレッド組み込み処理/DSP、マルチスタンダード通信アプリケーション向けの市場をリードするプロセッサ コアの製造およびライセンス供与を行っています。このようなシステムオンチップ(SoC)向けシリコン知的財産(IP)関連のソリューションは、幅広い開発者・ミドルウェア エコシステムだけでなく、強力なソフトウェア ツール製品群によって称賛されています。ターゲット市場としては、携帯電話、携帯マルチメディア機器、家庭用娯楽機器、低消費電力コンピューティングとモバイル コンピューティング、カー エレクトロニクスなどが挙げられます。ライセンス先には、主要な半導体や家庭用電化製品関連の企業が含まれています。イマジネーションテクノロジーズの本社はイギリスにあり、世界各国に販売拠点と研究開発拠点を置いています。詳しくはwww.imgtec.com をご覧ください。


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